2020年3月20日
カバタの様子
屋内には滾々と湧き水がいでて、飲水として利用され、また野菜や果物をほどよく冷やします。
その水は屋外に流れ、洗い物に使われ、魚の棲まう水路に流れ、やがて湖に至ります。
こんなシステムが各家庭にある町、高島市針江(滋賀県)。
比良山系
みなもとは、比良山系の伏流水。針江の地下10メートルほどに水脈が通っていて、各家庭は簡単に自噴水を得ることができます。このような半天然のインフラを”カバタ(川端)”と呼び、上水道が整備されるはるか昔から生活に利用されてきました。
個人的には水の流れる音(とくに細く絞った蛇口から漏れ水面に跳ねる音)、風が皮膚にあたる感覚が好きなので、常に水音が流れ、風通しのよい環境で生活してみたいなと憧れます。
カバタの水路には、鯉やイワナがいると聞きました。人と自然が悠々とたゆたうように結ばれている社会。
少しでも涼しくなればと思い書きました。暑さのみぎり、どなた様もご自愛ください。
小向珠美